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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

誰にでもハートさらけ出し…出川哲朗が突破した芸能界の壁

公開日: 更新日:

 爆笑しながらも、さんまは「(出川は)一流や、アホ!」とツッコみ、「何が二流のトップが出川さんや……」と突っ伏して笑った。このエピソードについて、出川は「さんまが怒った」などと脚色を加えながら事あるごとに披露する。本当にうれしかったのだろう。何しろ、当時はまだ「嫌われ芸人」の代名詞的存在だった頃だ。

 時を経て、出川の世間的評価は一転。好感度タレントへと変貌し、女性や子供たちに大人気となった。そして、かつてさんまらが「オレたちひょうきん族」(フジテレビ)などで築き上げた伝統の土曜夜8時台の枠で、レギュラーの冠番組を持つまでになったのだ。それを意気に感じ、ゲスト出演するのは、さんまにとって自然なことだったのだろう。

 さんまも出川も番組中、自然と集まってくる地元の人たちと気軽に写真撮影や握手、果ては安産祈願まで行う「神対応」を繰り返していた。

 同番組の平山大吾プロデューサーによると、出川はよく「こっちが壁を作らなければ、向こうも壁を作らない」と語っているという(KADOKAWA「ザ・テレビジョン」18年7月11日)。そうして損得を抜きに、誰とも「壁」を作らずハートをさらけ出し続けたからこそ、そびえ立つ芸能界の「壁」を突破していくことができたのだ。

 常に「神対応」のさんまの背中を見て育った出川もまた、「ハートで動く人」なのだ。

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