「センター走る必要ない」の割り切りが生む伊藤沙莉の個性
最終回には25%を超える高視聴率を獲得したこのドラマで、もともとは仲の良かった主人公をある事件がきっかけでイジメる役を熱演。その後の作品でもたびたびイジメっ子役を演じ、結果、伊藤沙莉=イジメっ子というイメージが強くなった。
イメージが独り歩きし、現実でも「沙莉ちゃんが何組の何々ちゃんを、主犯となっていじめてた」などと事実無根な噂が流されてしまうほどだったという(文芸春秋「文春オンライン」17年10月27日)。
そんな中で大きな転機だったのが14年のドラマ「GTO」(フジテレビ)での監督・飯塚健との出会いだ。
同じイジメっ子でも愛すべきキャラをつくり上げた上で、飯塚から現場でのあり方を徹底的に教えられ、「照明部、演出部、録音部、メイク部、衣装部とか、そういうのがいる中の俳優部にすぎない」と叩き込まれた。誰が偉いわけではなく、ドラマを作ることにおいてみんな等価だと。
同じように「俳優部」にもヒロインから脇役までさまざまな役割がいることに気づいたのだ。