「G線上のあなたと私」の “口角上げ”松下由樹は経験の賜物
「初めての発表会に向けて練習を積む3人でしたが、当日、姑が脳梗塞になり、幸恵は発表会に不参加となってしまう。発表会の時間に幸恵は病院の片隅でひとり目を閉じ、ふたりと一緒にステージに立っていることをイメージしながら、“エアバイオリン”……この時の松下さんの表情が実に見事でしたね」
■かつては「全女性の敵」
発表会に参加できない寂しさの中、それを振り払うようにきゅっと口角を上げ、「G線上のアリア」を弾く。松下のこの演技には〈これは泣けちゃうわ〉〈松下さんの演技、うまいなあ〉〈3人の中で、幸恵のキャラが一番共感できて好き〉なんて高評価の声が多く投稿された。
「松下さんは、1990年放送の連ドラ『想い出にかわるまで』、99年放送の連ドラ『週末婚』などで、全女性を敵に回すような憎まれ役を手加減なく堂々と演じ切った。2つのドラマが放送されていた頃は『私、松下由樹って嫌い』という女性の、なんとまあ、多かったこと! でも、あの経験があるからこそ、いまの深い演技があるのではないでしょうか。いい女優さんですよね」(山下真夏氏)