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ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

たけしの「お笑いウルトラクイズ」のトンデモ舞台裏<2>

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 折れるといえば、「お笑いウルトラクイズ」のロケを熱海の海岸でやった時に、わがたけし軍団のグレート義太夫くんが落とし穴で片足を複雑骨折したことがあった。折れた方の足は不自然に外側に曲がっていた。

■複雑骨折しても「ウケました?」

 さ、それを見ていた伊藤輝夫プロデューサー(テリー伊藤)、どんな行動に出たと思います? 大道具さんから素早くナグリ(カナヅチ)を借りると「ダンカンちゃん、クイズね!」と俺にマイクとナグリを手渡すのでした。こーなると、バラエティー人間の「阿吽の呼吸」で、細かい指示など一切なく、「骨折クイズ~!! さ、義太夫くんが骨折してしまいました。折れたのはどっちの足(曲がっているから分かるって!!)、では、ヒントで~す!」と折れた足の方をナグリでコツン!「ギャー!!」と海に響き渡る断末魔の叫びのような声……。それでも、その後、義太夫くんは、「どうでした? ウケました?」と骨折より笑いを気にしてるんだから、もう我々は完全に職業病に侵されているのです。


 伊藤さんの突然のフリとなると……。「元気が出るテレビ」の荒川の河原で、当時流行していたSONYのCM、サルがウォークマンを聴くというのをやった時のこと。林家ぺーさんの全身に毛をはりつけて撮影することになり、よりリアルにとペーさんの全身に毛を特殊メークしていたら、ペーさんの顔から血の気がドンドンうせていったのです……。そうです、肌を毛で覆ったことにより皮膚呼吸ができなくなり、ついには失神寸前となってしまったのでした。すぐに救急車を呼んだのですが、救急隊員がタンカで救急車に運んだまさにその時、伊藤さんから俺の手にマイクが渡されたのです。すかさず救急車の中に横たわるペーさんの隣に動いた俺は「ペーさん、最後にタンカでダジャレを!!」とマイクを向けたのです。

 消えゆく意識の中でペーさんは白目をむきながら「タ、タ、タンカ(丹波)哲郎…ガクン」と見事なひと言を残し、救急車のピーポー、ピーポーという音とともに遠ざかっていったのでした……。 (つづく)

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