ビック3とは一線 志村けんさんが貫いたコメディアン人生
「不健康で元気」を絵に描いたような人だった。石原裕次郎・勝新太郎・藤山寛美といったスターと遊びの中身は違っても、仲間を連れて飲み歩く親分肌。参加する後輩たちも「義理で仕方なく付き合う先輩もいますが、志村さんは楽しいから参加する人が大半」という話をよく聞く。気の合った仲間同士の飲み会にはお笑いのヒントもあった。
「バカ騒ぎのように飲んでいることが喧伝されますが、人の観察力が鋭く、遊びのなかに笑いのヒントを求めていたのだと思う」(テレビ関係者)
漫画家の赤塚不二夫氏も生前、仲間と飲んでは口癖の「くだらないことしよう」と誘い、全員包帯して知らない店に入るようなことをしたものだ。それがギャグ漫画のヒントになっていた。なにか共通するものを感じる。生涯独身を通しコメディアン生活を全うした志村さん。名優の足跡を忘れることはない。合掌。