おでん屋でコップ酒は演出…一滴も飲めなかった古関裕而
ようやく、「エール」本編の放送が9月14日に再開されると発表された。やきもきしていた朝ドラファンにとって朗報だが、その穴を埋めてきた再放送シリーズも佳境に入っている。8月20日からの第10週では、古山裕一(窪田正孝)が作曲した「船頭可愛いや」を双浦環(柴咲コウ)が歌いヒット。古山の妻・音(二階堂ふみ)が妊娠・出産。小山田耕三(志村けん)も登場と、盛りだくさんの週だ。
さて今回は、作詞家として大成することを夢見て福島から上京した村野鉄男(中村蒼)がおでん屋を始めるくだりにスポットを当ててみたい。そのモデルである野村俊夫も実際におでん屋を開いている。
東京に出れば、作詞家への道が開けると安易に考えていた野村だが、そんなに甘くはなかった。古山裕一のモデル・古関裕而とのコンビでつくった「福島行進曲」はレコード化されたものの、ほとんど売れなかった。そのため、古関がいた日本コロムビアの専属にはなかなかなれず、当面は別の仕事で食いぶちを確保しなければならなかった。
■入谷で野村俊夫が開いた店