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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

張り込みの珍事 矢沢永吉が「悪いけど送ってくれないか」

公開日: 更新日:

 車による張り込みは、いかにその住居地に溶け込めている車であるかも大事な要素。成城や田園調布のような高級住宅街では、路上に軽自動車などは不自然。ベンツで張り込みしている社もあれば、出入り業者を装って軽トラックを使うケースもあった。今は少なくなったが、荷台にホロの付いた軽トラは使い勝手がよかった。カメラマンが荷台に乗り、ホロの隙間からレンズを出して隠し撮りができた。

 張り込み車は外から見えないように窓をスモークにしていることが多く、繁華街に近い場所での張り込みは酔っぱらいに悩まされた。車を蹴る者もいれば、車の陰で立ちションするヤカラもいた。あまりひどいと「こらっ!」と車から飛び出すが、腰を抜かすほど驚く。それはそれで滑稽だった。

 冷たい小雨が降る年末の夜、麻布十番界隈で張り込みをしていた。深夜となり、ドアを叩く音。窓を開けると「急いで六本木に行きたいが、タクシーがなくて困っている。悪いけど送ってくれないか」とお願いしてくる男がいた。酔っている様子もなく口調ははっきりしていたが、目深くかぶっていた帽子と薄いサングラス越しでも街灯の光で矢沢永吉とわかった。

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