榊原郁恵「ROBOT」はすべて手弾きの「人力テクノ」で制作
ですから、僕らに与えられた制作日数は、おのずと短くなるということです。そうなると、コンピューターで時間をかけて打ち込みをする余裕はありません。そこで考えたのがキーボードの矢嶋マキさんにシンセサイザーをテクノ風に弾いてもらうということでした。その方が圧倒的に早いですからね。
そうやって出来上がったのが「ROBOT」だったんです。言うなれば「ROBOT」はテクノポップとはいえ、すべて手弾きの「人力テクノ」なんです(笑い)。限られた時間の中で、リクエストに応えるための苦肉の策だったわけです。
この制作過程のエピソードを思い浮かべて、もう一度聴いてみてください。コンピューターの打ち込みに聴こえるでしょ? 以前とはまた違った楽しみ方ができると思いますよ。
京平先生は、全編コンピューターを使って制作してほしいと考えていらっしゃいましたが、出来上がったものを聴いて最終的には喜んでくださいました。
ありがたいことに、曲もヒットしたので、僕もホッとしました。