女優・駒井蓮は才色兼備の実力派 津軽弁で映画出演を実現
第16回大阪アジアン映画祭で、グランプリ&観客賞をダブル受賞した映画「いとみち」(アークエンタテインメント配給)が今月25日から公開される。本作は、青森県を舞台に、地元のスターを結集しオール青森ロケで撮影。ヒロインに抜擢されたのは、同県平川市出身の女優・駒井蓮(20)。「津軽弁で映画出演したいという夢が現実になった」と語る。
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「地元の方言で、映画に出演するのが夢でした。実際に形になって、改めて本当にこんなことができるんだと感動しました。1カ月弱も地元で撮影するのは初めてで、独特の緊張感がありました」
監督陣絶賛の「顔」
父親役は豊川悦司が務める。共演してみた印象は?
「豊川さんは穏やかな人でした。演技について、横浜監督と3人で話し合ったときも、『こうかな? ああかな?』と緩やかにお話しされてました。クランクアップのときに『食べ物は何が好き?』とか、たわいもない話ができて楽しかったです」
駒井の魅力は、写真によって顔が違って見えること。監督陣も絶賛しているとか。
「自分の顔が写真によって別人に見えるんです。コンプレックスだったのですが、横浜監督が『左右で違って見えるし、目の見開き具合とか口の開け方で違った表情に見えるから、使い分けていったら面白くなるよ』とおっしゃってくれました。ふと思い返してみると石井裕也監督にも同じことを言われたことがあって……。今後は自分の武器として磨いていきたいです」
現役慶応大学生
現在、慶応義塾大学に在学中。仕事と学業の両立は大変だと話す。
「高1のとき、仕事のために上京したので、勉強は高校までと決めていました。すると周りから『勉強を頑張ってきたんだから大学に行ってみたら?』と提案されまして。1校だけ受験してダメなら進学は諦めようと思っていたのですが受かりました(笑い)。もともと学ぶことが好きなので、今は楽しく勉強しています。急に仕事が入ってもいいように、常に余裕を持って課題に取り組むようにしています」
勉強と演技には意外な共通点があった。
「精読といって本を細かく読むのですが、台本を読むのと一緒なんです。脚本家さんがなぜこの語尾を選んだのかを考えるけれど、精読では句読点にどんな意味があるかを考える。似ている作業だと思います」
これからどんな道を歩んでいきたい?
「女優のことだけで頭の中がいっぱいになったときもあったけれど、駒井蓮という人間が選んで行く道はひとつだけではないと思います。女優の仕事を土台に、自分がやりたいことに挑戦していきたいです」
(取材・文=白井杏奈)
▽こまい・れん 2000年、青森県出身。14年、「ポカリスエット」のWebCMに抜擢。「ニコラ」(新潮社)専属モデルを経て、現在、女優として活動中。16年、「セーラー服と機関銃-卒業-」で映画デビュー。主な映画出演作に「心に吹く風」(17年)、「名前」(18年)、「町田くんの世界」(19年)、アニメーション映画「音楽」(20年)、「朝が来る」(同)など。