京アニ事件想起の漫画「ルックバック」が話題 クリエイティブの力を奪う配慮は必要か
7月19日、一本の読み切り漫画「ルックバック」が公開された。書いたのはアニメ化も決定し、2021年6月時点でコミックスの累計発行部数が1100万部を突破した「チェーンソーマン」の作者・藤本タツキである。
集英社が運営する漫画アプリ「少年ジャンプ+」にて公開され、公開当日には閲覧数が120万を超えた。今作は読切だが143ページの長編大作で、アーティストの村上隆や奈良美智、漫画家の浅野いにおなど、多方面からも反響の声があがっている。
すでに9月3日にコミックスとして発売されることも決定しているが、今作にはクリエイティブに人生を懸ける漫画家にしか伝えることができないメッセージがいくつも詰まった作品であった。
■哀悼でもあり、はなむけでもある作品
今作は、学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスの人気者である小学4年生・藤野と圧倒的な画力を持つ不登校の同級生・京本が漫画を通して共に成長していく物語である。
天才と秀才の違いや、挫折の先にある成長、互いを救い合う存在だからこそなり得るライバル関係……。「ルックバック」はクリエイティブに携わる人間なら、必ず心が揺さぶられるはずだ。