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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

「キングオブコント」王者の空気階段は“虫のような扱い”を見事はねのけた

公開日: 更新日:

 それと並行して、多額の借金を抱え、ギャンブルに溺れ、遅刻を繰り返すもぐらが「クズ芸人」として注目されるようになり、多くのバラエティー番組に出演した。荒れ放題の家で怠惰な生活を送ってきたもぐらは「ネズミしかかからない病気」にかかったこともあったという。

 一方のかたまりは何でも母親の言う通りにする極度のマザコンとして知られ、同級生に岡山なまりをからかわれたことが原因で大学を中退してしまったほど傷つきやすい繊細な性格でもある。不器用な2人が演じるコントは、笑いの中に切なさを感じさせるものが多く、そこが人気を博している。

 彼らは地道にコントの腕を磨き続けたことで、昨年ついに日本一の称号を手にすることになった。

 いまや結婚して2児の父となったもぐらは、ギャンブルから足を洗い、借金の返済に手をつけ、少しずつ更生の道を歩み始めた。昨年10月には彼らにとって初の冠番組となる「空気階段の空気観察」もスタートした。地味で繊細な2人は栄光への階段をいま上り始めたところだ。(つづく)

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