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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

「大怪獣のあとしまつ」は東映と松竹の共同配給、クレジット表記に滲む舞台裏

公開日: 更新日:

 2月4日から公開された「大怪獣のあとしまつ」は、まぎれもない「問題作」である。問題作というと、政治、社会問題に切り込んだ社会派作品に捉えがちだが、もちろん、本作はそうではない。

 これまでの映画の常識とは違った中身を打ち出した点で「問題作」なのである。突然死滅したかに見えた怪獣のあとしまつをめぐり、首相をはじめ各大臣が慌てふためく。管轄をどの省庁が担うか。特務隊という実働部隊を中心に、その混乱ぶりを描くのが主たる見せ場になっていた。

■初登場興収トップは怖いもの見たさ?

 公開からまもなく、ネットやSNSなどで評価が芳しくなかった。今の時代、評価が低ければ興行に多大な影響が出る。実にダイレクトだ。だが、週末興行ランキング(2月5・6日の動員数、興行通信社)では初登場作品でトップに立った。一種の怖いもの見たさだろうか。

 人の気持ちは複雑だ。低い評価が関心を大幅にダウンさせることもあれば、逆に見たい意識をつのらせる場合もないことはない。作品による。今回は低評価をある程度は跳ね返すだけの題材への関心があったとみる。主演者(「Hey! Say! JUMP」の山田涼介)の人気もある。ただ具体的な数字でいえば、2月4日を含めたスタート3日間で興収1億7000万円では物足りない。

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