スザンヌさんが熊本地震3カ月前に開店したカフェが震災で全壊…「必ず再開を」の決意語る
スザンヌさん(タレント/35歳)
2007年、「クイズ!ヘキサゴンⅡ」(フジテレビ系)で“おばかタレント”としてブレーク。現在はシングルマザーとして一人息子を育てながら、出身地・熊本を拠点にタレント活動を続けている。熊本は16年に熊本地震、20年に令和2年7月豪雨と大災害が続いたこともあり、スザンヌさんの人生観にも変化があったようで……。
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■熊本地震の時は福岡の友人宅に避難
熊本地震は、私が15年に熊本に拠点を移した翌年に起きました。前震があった4月14日はお仕事のために息子を近所に住む母に預け、私は福岡にいたんです。地震後、母にすぐに連絡したら「そのまま仕事してきて大丈夫」と言うので、次の予定地の広島に移動しました。そうしたら16日未明に本震がきて……。
九州新幹線が脱線してすぐには帰ることができず、心配で心配で。博多までは山陽新幹線が走っていたので、とりあえず博多まで帰り、博多からは友達が車を出してくれて、普段は1時間半のところ6、7時間かけて帰りました。
母や子どもの顔を見たら「よかった!」とホッとしましたが、家の中はグチャグチャ。怖がる子どもを守らなくてはと思い、2週間、息子と2人で福岡の友達の家に避難させてもらいました。でも、母や祖母は「熊本を離れたくない」と頑として動いてくれなくて。無事を祈りつつ、離れ離れになるしかなく、葛藤がありましたね。
水害のときは、私の住む市内は大きな被害はなかったので、炊き出しや物資の配達、「ニコニコ大作戦」というボランティアチームをつくって、小学校にお菓子とオモチャのセットを配ったりしました。
こうした大災害を経験すると、いつ何があるか分からない、やっぱり故郷に帰って、家族のそばにいてよかったと思いました。家族や近所の方のサポートがあって何とか乗り越えられたので。子どもと2人だけだったら、精神的にもっとキツかったと思います。
誰もが何歳まで無事に生きていられるかは分からないけれど、私はせめて息子が20歳になるまでは生きて成長を見守って、息子のやりたいことをバックアップできる親でありたい。もし可能なら、孫やひ孫の顔も見たいですね。
老いを考えるうえでは祖母の存在も大きい。母方の祖母は2月に88歳になりましたが、母や私より元気なくらい。足は少し弱って杖やカートを使っていますが。12年前に祖父を亡くしてから1人暮らし。たくさん食べて買い物は自分で行くし、よくお友達と神社巡りや旅行を楽しんでいます。
頭もしっかりしていて時々ギャグも言ったりして楽しいし、私が出演している番組をチェックして「あのコメントは違う」なんて的確な指摘をしてくれるんです。私も祖母のように自立して子どもに迷惑をかけず、年をとりたいと思っています。
目標は88歳の祖母。「ギャンブルする男とは付き合うな」が教え
私の母もシングルマザーだったので、幼い頃の私と妹を育ててくれたのは祖母でした。祖母は若い頃、「山本たばこ店」を開店してビルを建てるほど大成功をおさめ、80歳まで経営を続けていました。私も祖母の商売人気質をひいているみたいで、熊本地震の3カ月前、熊本市内に「8%」というカフェレストランを開店しました。震災で全壊してしまい、体力的にも精神的にもすぐにもう一度始めることはできなかったので、死ぬまでにまた必ずやりたいですね。
目標とする祖母ですが、その教えは「ギャンブルをする男とは付き合うな」と、「親しい人ともお金の貸し借りはするな」ということ(笑)。それを今後も守っていきたい。再婚? う~ん、誰と結婚しても同じことになりそうなので、もういいかな。
ちなみに、今、小学校3年生の息子は「お酒を飲まない女の人がいい」と言っています。私がお酒が好きで、酔っぱらうと同じことを繰り返して言うのでうるさいみたい(笑)。「ちゃんと宿題しなさい」とうるさく言っていたら「ママは勉強をちゃんとしてたの?」と聞かれて、偉そうなことは言えないなと(笑)。
その反省や親が勉強する姿を見せるのもいいかなと思い、去年、第一薬科大学付属高校の通信制で学び始めました。私はその高校(当時は第一経済大学付属高校)を芸能活動のために、2年生の時に中退したんです。
お仕事と家事・育児、そのうえで学業なのでなかなか時間がとれず、朝4時に起きてリポートを書いたりと大変でしたが、この3月に無事に卒業。息子に勉強する姿を見せられたし、息子と一緒にノートを広げて勉強できたのはいい思い出になりました。
20代前半に一緒に活動したつるの剛士さんも短大を卒業されましたよね。時々インスタで連絡を取り合うんですけど、当時の仲間が頑張っているのは、私もうれしく励みになります。
■世界に一つだけの洋服を作れたら
勉強はやっぱり苦手ですけど、私も頑張って大学のファッション学科へ進学しました。お洋服を大量に持っているのでリメークして世界に一つだけのお洋服を作れたら楽しそうだなと思っています。
あと、死ぬまでにぜひやっておきたいことといえばバンジージャンプ(笑)。高い所は平気。年をとったらできなくなるので、若いうちに経験しておきたいな。
(聞き手=中野裕子)
▽1986年10月、熊本県出身。2007年、「クイズ!ヘキサゴンⅡ」(フジテレビ系)でブレーク。11年結婚、男児を授かるが15年離婚し、熊本へ転居。熊本を拠点に活動中。