フリーアナ南美希子さん 古舘伊知郎さんら“テレ朝同期”との飲み会はお金では買えない「貴重な体験」

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しゃべり倒す古舘伊知郎は普段より100倍おもしろい

 でも、そんな中でも一番印象深くて、幸せだったお酒といえば、テレビ朝日の同期との飲み会です。私の同期は9人いました。私がテレビ朝日に入社したのは1977年で、日本教育テレビからテレビ朝日に社名を変更した年で、アナウンサーを大量に採用したんです。渡辺宜嗣さん、古舘伊知郎さん、佐々木正洋さん、吉沢一彦さん、女性では宮嶋泰子さん、中里雅子さん……。

 誰かが「今日、空いてる?」って感じで声をかける。そうすると仕事が終わった何人かで街に繰り出すわけです。みんな安サラリーマンでしたから、焼酎とか安い酒でワイワイやってました。上司の不満やグチとか、「冗談じゃねえよ」って憂さ晴らししたり(笑)。将来どんな仕事をやっていきたいか夢を語り合ったこともあります。当時はまだ20代。あの頃のお酒ってどんなにお金を出しても二度と買えない、貴重な体験だと思います。

■セクハラっぽい佐々木正洋の頭をポカッ!

 それに同期の9人はみんな個性的で面白い人が集まっていた。今も「スーパーJチャンネル」で活躍している渡辺さんは本当にいいヤツで、鍋が大好き。佐々木さんは酔っぱらうとセクハラっぽいこともあったけど、仲良しだから「いいかげんにしなさい!」ってひっぱたいたりして(笑)。

 古舘さんはとにかくあのまんまの感じで、しゃべり倒す。みなさんがご存じの古舘伊知郎より100倍面白いですよ。「報道ステーション」をやってた時だって、私たちと飲む時はまったくの無礼講ですから、何でもしゃべる。面白いなんてもんじゃないですよ。

 女性陣だけの飲み会も盛り上がりましたね。宮嶋さんはマラソンとかスポーツの担当、中里さんは筑紫哲也さんと報道番組に出ていました。私は芸能の担当です。今は当たり前のように女性のキャスターがいますが、当時はまだ男社会です。みんな泣きながらやってましたから、集まると言いたいことが山ほどあるわけです。

■飛ぶ鳥を落とす勢いの山城新伍と高級寿司店

 山城新伍さんと「笑アップ歌謡大作戦」という番組を一緒にやっていた時は、よく六本木の高級寿司屋に連れていってくださった。高いワインを抜いてくれて。当時の新伍さんは飛ぶ鳥を落とす勢いです。新伍さんは飲みながら「今ある年収が1億円だとしたら来年は2億円にする。とにかく階段を上っていくのが我々芸能人の生き方だ」とおっしゃっていた。私は独立した時にその言葉を思い出しました。トップで居続けるための心意気という意味で私の中に強く植え付けられました。

梅宮辰夫と新幹線の個室席

 新伍さんとのつながりで、梅宮辰夫さんの講演の聞き手としてお手伝いしていた時期があります。梅宮さんは新幹線の個室席にウイスキーを持ってくるんです。新幹線の中で2人で飲みながらいろんな芸能界の話をしました。あの頃の一流の芸能人は遊びも派手だったし、面白かった。芸能人は一般の人ができないような生活をしたり、収入を得たり、異性関係だって華やかにやってこそ輝きが出るもの……。いろいろ教えていただきました。

 今はもう一般の方よりも真面目にしてないといつ足をすくわれるかわからないから、本当にかわいそうです。梅宮さんは絶対にサングラスをしない方で新幹線でも「辰っちゃん!」って声をかけられると「よう!」って返事していた。写真を撮られても全然平気。かっこいいなと思いましたね。

 そんな私の局アナ時代は9年間です。私よりも2年早く古舘さんが独立されて、私は30歳を機に退職しました。60歳を過ぎてずっと同期で集まろうと言っていたのに、コロナになっちゃいましたからね。近いうち必ずワイワイやりたいですね。

(聞き手=浦上優)

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