出血の様子に注意! 痔と思ったら「大腸がん」の可能性も
(2)は、どちらかというと軟便で、ドロドロした便に血が混ざっている。トマトケチャップのような、ドローッとした赤みがかった便。
(3)は、(1)のように「血が便に混じる」ではなく、血が肛門からポタポタ、あるいはピューッと出るような出血。肛門を拭いたトイレットペーパーに血がつく。血の色は真っ赤なことが多い。
「どの場合も一度は病院で検査を受けて欲しいのですが、特に(1)は、消化器科の早めの受診を勧めます。(2)も、大腸がん以外の消化器系のがんや、胃潰瘍などの炎症の原因を調べた方がいい」
冒頭のAさんは典型的な(1)の出血。加えてチェックすべきだったのは、“いつもの痔の症状”があるかどうか、だった。
「痔核は肛門からイボのようなものが出る。切れ痔は硬い便で肛門が裂けて起こるので、肛門部分に激しい痛みが生じ、排便後もしばらく消えない。痔ろうは、肛門の周囲の皮膚が腫れて痛みます。肛門から出た膿(うみ)が下着につくこともあります。以前から痔がある人なら、これらの経験が必ずあるはずです」
裂肛のAさんは、「排便時の激しい痛み」はなかった。その時に、何かおかしいと感じるべきだった。
ちなみに、大腸がんには便が出にくい、残便感、便が細くなる、腹痛、腹部膨満感などの症状もあるが、それらはがんが進行しないと出てきにくい。