めまい、耳鳴りを招く「顎関節症」 楽器の長時間練習に要注意
千葉県のオーケストラに所属する管楽器奏者を調べた別の調査では、最も多かったのはダブルリードのオーボエ、ファゴットなど。次いで、クラリネット、サクソホンなどのマウスピースに1枚のリードを取り付ける楽器、カップ型のマウスピースを使うトランペット、ホルン、トロンボーン、チューバなど。比較的少なかったのはフルート、ピッコロなどだった。
なぜ、管楽器を演奏する若い女性に顎関節症が多いのか?
「口の周辺で楽器を固定する構えが筋肉の負担を大きくし、顎関節症につながると考えられます。普通の練習時間で発症した顎関節症なら練習をやめれば自然と治ります。しかし、長時間のハードな練習で発症した顎関節症は顎の形が変わったり、顎のちょうつがいとなる場所でクッションの働きをする関節円板がすり減ったり、穴が開いたりして治らなくなる。周囲の大人は注意すべきです」(本田教授)
吹奏楽部の長時間練習は修練だなんて許しておくと、わが子の顎が壊れ、将来にわたり嘆くことにもなりかねない。