後悔しない選択は? 医者は「がん治療」をこう選んでいる
抗がん剤では、1~2%の人が心不全で突然亡くなっている。この1~2%を非常に低いと考える人もいるだろう。
「しかし水上先生は、心不全で亡くなる患者さんを実際に見てきて、自分が1~2%に入らない自信はない。身辺整理もできず、会いたい人にも会えず、突然死を迎えたくないというのが希望だそうです」
客観的なデータを、自分の人生観と照らし合わせて判断する。抗がん剤治療の深刻な副作用と生存率をはかりにかけた時、どちらに傾くかは、人それぞれだ。
(2)すぐ結論を出さない
セカンドオピニオン、サードオピニオン……と納得のいくところまで意見を求める。川嶋教授の知人の医師には、咽頭がんの治療法について37人の医師に意見を聞いた人もいるそうだ。
「医師は基本的にガイドラインに沿った治療法を提案します。『効果があまり期待できない』『自分なら拒否したい』と思っていても、ガイドラインに定められている治療を行っていれば、何か問題が起こっても責任を問われず、訴えられもしないからです」