痛みなく下剤不要 大腸内視鏡検査は“水浸法”で楽チンに
「寝ている間に終わってしまった」という患者がほとんどだ。鎮静剤の量は多くないので、高齢者でも検査後すぐに立ち上がり、歩いて帰ることができる。
水浸法は、大腸内視鏡医の後藤利夫医師が東大病院在籍中に開発した方法で、数は多くないものの、実施している医療機関はいくつもあるという。
大腸内視鏡を経験したことがある人は、痛みに加え、大量の下剤を飲まなくてはならないことにへきえきした経験を持っているだろう。
「従来の大腸内視鏡検査では、胃腸に残っている内容物を洗い流す前処置が必要で、2リットルもの下剤を飲まなくてはなりませんでした。本当につらいですし、高齢者には2リットルの下剤を飲むことができないために大腸内視鏡検査を諦めている人もいらっしゃいました」
しかし、最近注目されている「内視鏡的洗浄液注入法」なら、自分で下剤を飲まなくてもいい。
「簡単にいえば、胃カメラを通して下剤を小腸と胃の中に注入する方法です」
つまり、口から入れる胃カメラとお尻から入れる大腸内視鏡をその日のうちに受ける形になる。