ストレス解消や胃酸中和も 「歯ぎしり」に多くのメリット
睡眠は、浅い睡眠の「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」に分かれ、90分周期で4~5回繰り返される。
歯ぎしりは、ノンレム睡眠の中でも、浅い眠りの段階で表れることが多い。この段階の睡眠は脳を休ませながら、起きている間の不愉快なことや怖かったことなどを緩和・消去しているといわれる。歯ぎしりは、そのときに起こる生体反応ともいえる。
歯ぎしりは、脳の発達にも貢献している。
「歯を噛み合わせることは一種の脳トレです。歯と歯を支えている歯槽骨の間には歯根膜と呼ばれる、靱帯があります。この歯根膜はわずか0・2ミリ程度の薄さしかありませんが三叉神経という脳神経の中でも最大の神経で脳につながっています。また、噛めば噛むほど、咀嚼筋や側頭筋などが動かされ、脳への血流がよくなります。夜、寝ている間に脳への刺激や血流を増やすことで、ストレス解消とともに脳の発達・成長を促しているという人もいます」
体を横たえたときなどに胃液が食道に逆流して、胸焼けやむかつきなどを起こす「逆流性食道炎」。歯ぎしりにはそれを防ぐ働きもあるという。