最悪なら足切断も 「こむら返り」には危ない病気が潜む
就寝中などに足がつる「こむら返り」は誰もが経験することだ。一度や二度なら「疲れが出ているのかな」で片づけられる。しかし、頻繁に起こるようだと気をつけた方がいい。背後に命に関わる重大病が潜んでいるかもしれない。東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授に聞いた。
こむら返りは自分の意思に反して異常に筋肉が収縮する状態を言う。「お酒の飲み過ぎ」「塩分の過剰摂取」「大量の発汗」「筋肉疲労」「利尿剤などの薬の使用」「冷え」などで起きやすい。いずれもナトリウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルのバランスが乱れて電解質異常を起こして筋肉の神経がおかしくなるか、血行が悪くなって筋肉が酸欠・栄養不足に陥るかしたケースだ。
「問題はミネラルバランスの崩れや血行の悪さの裏に、重大な臓器の機能低下や病気が隠れているケースが少なくないことです」
例えば腎臓だ。腎臓はナトリウムやカリウムなどの電解質の吸収、排泄を行っている。その機能が低下すると血液内の電解質の割合が崩れてこむら返りが起こる。
老廃物を取り除く肝臓も同じで、機能が低下して解毒作用が悪くなると電解質のバランスが崩れて筋肉が異常に収縮する。