最悪なら足切断も 「こむら返り」には危ない病気が潜む
「この病気が恐ろしいのはそれだけではありません。動脈硬化は全身の病気なので、他の動脈の病気も合併します。例えば、心筋梗塞に代表される冠動脈疾患は30%、脳梗塞・脳出血のような脳血管疾患を15%程度合併する可能性がある。発症から5年でこの病気の患者さんの20%が、心臓や脳の血管を患い、そのうち15%が亡くなるといわれています。軽く考えてはいけません」
こむら返りが末梢動脈疾患のサインのひとつだとは驚きだが、足が痛くて歩けなくなる、というのはよほど症状が進んだ状態。早期に発見するにはどうしたらいいのか?
「あおむけに寝て両足を真上に上げ、第三者にその足首をつかんで回してもらうと、左右の足の色が違ってくることがあります。それは足の血の巡りが違うからで、これで末梢動脈疾患を疑えという人がいます。しかし、正確ではありません。正しくは両足の甲に指3本を当て動脈の脈拍を調べ、左右差を感じたら、末梢動脈疾患の可能性が高いということです」
こむら返りは足だけでなく、脇腹や首、指など全身で起こる。心臓がつることはないのか?
「心臓の場合は狭心症や心筋梗塞で胸がつる症状が出ることがあり重症では心室細動という心室が小刻みに震え、脳や体に血液を送り出せなくなる危険な不整脈が起こることがあります」
「たかがこむら返り」と言っている場合じゃない。