常識覆す新リハビリ 失語症は「磁気」で言葉を取り戻せる

公開日: 更新日:

 安保教授のリハビリは2週間、入院して行われる。2週間後、同じ4コマ漫画のテストを受けると、治療前と一転し、オチのあるストーリーとして話せた。明らかに変わったのは、言葉がスムーズに出てくるようになったこと。磁気刺激と集中リハビリを12回(2週間×6回)受け、今では再就職して社会復帰を果たしている。

 安保教授のリハビリでは、磁気刺激を脳に与え、正常な働きを取り戻す手助けをする。

 磁気刺激を与える方法は、急性期と慢性期で変わる。脳卒中を起こしてしばらくの急性期では、「損傷した脳」に磁気刺激を与え、正常な働きを取り戻す手助けをする。ところが時間が経つと、脳は左右がバランスを保って機能しているので、右脳が損傷を受けた場合、左脳が右脳の働きを補うようになる。

「一般的には、健康な側の脳が損傷を受けた側の脳を『助ける』と考えられています。しかし私は、健康な側の脳の働きが強くなり、損傷を受けた側の脳を『抑制する』と脳機能画像の結果から考えたのです。そのため脳卒中から時間が経って後遺症が慢性化した場合は、『健康な側の脳』に刺激を与えて働きを弱め、損傷を受けた側の脳が正常な働きを取り戻せるようにします」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで