20万人が働き盛りでがんを発症 子供への告知はどうする
24年前に子宮頚がんを発症した知人女性は、「ショックが大きい」と15歳の息子への告知をためらいましたが、息子は母の異変を微妙に感じ取っていたそうです。しばらくして、父から母の病気を聞いた息子は、「おかしいと思ったよ。どうして話してくれなかった。仲間はずれか」と怒り、家族に溝ができたといいます。その教訓から、5年後に肝臓がんを発症したときは正直に子供に伝え、家族に一体感が生まれたそうです。
伝えるときのポイントは、「風邪など身近な病気とは違うこと」「感染しない」「子供のせいでもだれのせいでもない」ことを教えるのです。子供によっては、がんがうつると思って親に触れなくなったり、自分が悪いことをしたから親ががんになったと思い込むケースもあります。
学校などにも伝え、子供の様子がおかしいときは連絡してもらうことも大切ですが、過剰な配慮はよくありません。子供の生活リズムは告知前と変えないこと。甘やかすのは禁物です。「子供の生活を日常化するため」という海老蔵さんの判断は意義深い。
今、小学生から高校生まで年齢に応じた「がん教育」が進んでいます。その授業を受けた中学生は「日本癌治療学会」でこう発表しました。
「中学生は、大人が思っているほど幼くはなく、がんの授業を受けてきちんと理解できる年齢であると思うし、むしろ『がん』という病気をもっと知り、防げるのなら防ぎたいと思います」と。