13人死亡で厚労省が緊急提言も「無痛分娩」の誤解と真実
◆無痛分娩特有の死亡例が多い?
羊水が血液に入ったり、大量出血による死亡については通常の出産でも誰にでも起こりうる。
「研究班の報告でも、無痛分娩が(これらの状況が)有意に高いと言っているわけではないと報告しています。ただし、麻酔による中毒死は、明らかに無痛分娩特有の死亡理由です。無痛分娩を手掛ける医療機関は注意しなければなりません」
米国など一部の国では無痛分娩が分娩全体の7~8割を占めていて、ポピュラーな出産法となっている。
■子供の成長への影響は?
◆病院でなければ危険?
日本では硬膜外鎮痛剤を背中に注射して痛みをゼロにするところもあれば、痛みを残して出産時の「いきみ」ができるように麻酔の量や種類を変える「和痛分娩」を行うところもある。それぞれの医療機関で若干の手法の違いはあるが、基本的な方法は確立しているという。
「最近は無痛分娩を手掛ける医療機関も増えています。しかし、病院であれ、クリニックであれ、医師、看護師、助産婦の経験が少ないところもあります。施設間に違いがあるとすれば、その差でしょう。今回の提言は、無痛分娩を手掛ける医療機関に対する注意喚起であって、無痛分娩が危ない、病院の方が安全ということではないと思います」