過敏性腸症候群との誤診多し 子供の「クローン病」って?

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 最初の生物学的製剤の発売は2002年で、これによって治療は大きく前進した。年1回は入院が必要なほどの腹痛に襲われるのが“普通”だったのが、症状を抑えられるようになったのだ。

「今回の新薬は、クローン病における3つ目の生物学的製剤です。従来の2つの生物学的製剤は有効性が高いですが、症状を十分に抑えられない患者が2割弱。よく効いても2~3年で効果が減少する人が4割。副作用もあります。新薬は従来薬とメカニズムが違うため、従来薬が合わなかった患者、効き目が落ちた患者にも、効果が期待できそうです」

■血液検査と肛門の病変チェックを

 クローン病は完治しないが、寛解・維持は可能――。しかし、別の問題点がある。クローン病の認知度の低さだ。

 腹痛、下痢、血便がしょっちゅう見られても、患者はもちろん、医師もクローン病を疑わない。病名すら頭に浮かばない。冒頭の名良之さんのように、過敏性腸症候群やストレスだと誤診されているケースは珍しくない。


「クローン病の知識があれば診断は難しくない。しかし、クローン病患者が多い米国でさえも、診断まで5年前後かかるという報告があります」

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