300人を調査 交通渋滞はドライバーの血圧を上昇させる
勤労感謝の日を利用して旅行に出かける人も多いのではないでしょうか。自動車を利用しての旅行でドライバーを悩ませるのが交通渋滞です。渋滞に巻き込まれるとストレスを感じることも多いと思いますが、ストレスは特に血圧上昇などを引き起こすことが過去の研究で示されています。
交通渋滞に巻き込まれたドライバーと血圧上昇の関連を検討した研究論文が、高血圧分野の国際誌である「臨床高血圧誌」電子版に2017年10月10日付で掲載されました。
この研究は、ガソリンスタンドに立ち寄った310人(平均39歳、男性75%)のドライバーを対象としたアンケート調査です。被験者には、交通渋滞に巻き込まれたかどうかを「はい」「いいえ」で答えてもらい、手首に装着するタイプのデジタル血圧計で血圧測定を行っています。なお交通渋滞は断続的な車の停止を伴う程度の渋滞であり、交通渋滞なしは他の車によって走行が妨げられないものと定義されています。
解析の結果、交通渋滞に巻き込まれたドライバーの収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)は、それぞれ142㎜Hg、87㎜Hgでした。また交通渋滞に巻き込まれなかったドライバーでは、それぞれ123㎜Hg、78㎜Hgとなっており、交通渋滞に巻き込まれると、そうでない場合に比べて、統計学的にも有意に血圧が高くなることが示されています。
車通勤などで日常的に交通渋滞に巻き込まれる可能性の高い人では、こうした血圧上昇が持続的な高血圧状態を引き起こす可能性もあり、注意が必要かもしれません。渋滞に巻き込まれた際は音楽をかけるなど、リラックスして運転できると良いかもしれません。