著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

300人を調査 交通渋滞はドライバーの血圧を上昇させる

公開日: 更新日:

 勤労感謝の日を利用して旅行に出かける人も多いのではないでしょうか。自動車を利用しての旅行でドライバーを悩ませるのが交通渋滞です。渋滞に巻き込まれるとストレスを感じることも多いと思いますが、ストレスは特に血圧上昇などを引き起こすことが過去の研究で示されています。

 交通渋滞に巻き込まれたドライバーと血圧上昇の関連を検討した研究論文が、高血圧分野の国際誌である「臨床高血圧誌」電子版に2017年10月10日付で掲載されました。

 この研究は、ガソリンスタンドに立ち寄った310人(平均39歳、男性75%)のドライバーを対象としたアンケート調査です。被験者には、交通渋滞に巻き込まれたかどうかを「はい」「いいえ」で答えてもらい、手首に装着するタイプのデジタル血圧計で血圧測定を行っています。なお交通渋滞は断続的な車の停止を伴う程度の渋滞であり、交通渋滞なしは他の車によって走行が妨げられないものと定義されています。

 解析の結果、交通渋滞に巻き込まれたドライバーの収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)は、それぞれ142㎜Hg、87㎜Hgでした。また交通渋滞に巻き込まれなかったドライバーでは、それぞれ123㎜Hg、78㎜Hgとなっており、交通渋滞に巻き込まれると、そうでない場合に比べて、統計学的にも有意に血圧が高くなることが示されています。

 車通勤などで日常的に交通渋滞に巻き込まれる可能性の高い人では、こうした血圧上昇が持続的な高血圧状態を引き起こす可能性もあり、注意が必要かもしれません。渋滞に巻き込まれた際は音楽をかけるなど、リラックスして運転できると良いかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」