「限られた時間」を有効に使う大切さを若手に伝えている
仮に、仕上がりがそれほど良くない状況では、看護師や若手スタッフでは手に負えない場面が出てきます。そうなると、外科医がずっと対応することになり、自分の時間をつくることができなくなってしまいます。
つまり、「限られた時間」を有効に使うことを意識して、速く正確に仕上がり良く手術を終わらせることは、その患者さん、次の患者さん、そして外科医自身にとっても大きなプラスになるのです。
また、「他の施設ではまだ行われていない治療を自分がやってやろう」といった功名心によって自分の治療を歪めてしまうと、外科医にとって最も重要な「トラブルなく患者さんを早く回復させる」という根本から遠ざかるだけでなく、まったく逆の状況を招くリスクも高くなります。すると、結果的に自分の時間をつくることもできなくなってしまいます。
■4つの要素がいかに手早くできるか
私は若手に対し、そうした「限られた時間」を有効に使うことを意識しながら真剣に取り組んでそれを達成できれば、どんな“おまけ”が付いてくるのかということを見せるようにしています。勤務先以外の外科からのオファーが増えたり、講演や取材の打診が数多くあったりなどすれば、それだけ収入につながります。また、異業種の人と接する機会が増えることも人生の財産になっていきます。いまはそれを見せるだけでなく、実際に体験させる段階まできている若手もいます。