日本は不妊大国 生殖補助医療の治療数は人口比で米国の4倍
この治療は、体外受精してできた胚(受精卵)をいったん凍結保存して、その後に解かして子宮に戻す方法。排卵誘発剤を使うと卵巣が腫れ、移植に適さない状態になることがある。しかし、多数の良い受精卵が得られることも多いので、1回に採れた卵子を複数回に分けて移植できるのがメリットだ。
とはいえ、やはり女性の年齢が増すごとに生殖補助医療の生産率は低下する。30歳で20%(5回に1回)、35歳で18%(約6回に1回)、40歳で7~8%(約13回に1回)、45歳で1%以下(約100回に1回)になる。
「生殖補助医療の治療数における40歳以上の女性が占める割合も年々増加していて、15年では43.4%です。そうなると当然、1児出生あたりにかかる生殖補助医療の費用も高額化していて、40歳で370万円、45歳で3780万円、47歳では2億3000万円かかると算出(日本産婦人科学会11年データ)されています」
不妊治療は自治体による公費助成もあるが、39歳以下(1回目の年齢)は通算6回まで、40~42歳は通算3回までと回数制限があり、43歳以上は助成対象外。それに40代の出産は、その後の養育費が大変で、「老後破産のリスク」を指摘するファイナンシャルプランナーもいる。