著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

70代でも脳細胞は増える? 「可能性あり」と複数の結果が

公開日: 更新日:

 脳細胞というのは、「大人になる前に一番増えて、その後は減る一方。増えることはない」という話をお聞きになったことがあると思います。

 ただ、最近の研究では、「脳の一部の神経細胞は、年を取っても増える可能性がある」という結果が複数得られています。つまり、以前の常識は変わってきているのです。

 増える可能性があるというのが海馬と呼ばれる場所です。海馬というのは記憶などに重要な役割を果たしている脳の一部で、アルツハイマー病では最初にその部分の神経細胞が障害されます。しかし、この海馬の細胞に関して、年齢を重ねても細胞の数が増えたり、機能が向上することが報告されているのです。

 面白いことにそうした現象が確認されているのは人間だけで、ネズミやサルの実験では、そうした結果は得られていません。

 今年の細胞研究の専門誌に発表された論文によると、脳の病気以外で死亡した人の脳の解剖を行った結果、海馬の大きさは70代でも10代と変化はなく、神経の再生のもとになる細胞も、高齢者で同じように見られることが確認されました。ただ、年齢とともに血液の流れなどは悪くなることもまた、同時に報告されています。従って、増えることは事実としても、高齢者で若い人と同じような働きをしているとは言えません。それは今後の研究を待ちたいところですが、年を取ると脳は衰えるばっかりと、悲観する必要はなさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主