65歳以上でもリスク低下 認知症は生活改善で予防できる
認知症を予防するにはどうすればいいのでしょうか?
認知症にはアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症など、多くの種類があります。いずれの認知症も心血管疾患、つまり脳卒中や心筋梗塞など、動脈硬化に伴う病気と関連があり、そうした病気の危険性が高まることで、同時に認知症の危険も高まることが分かっています。最新の脳のMRI検査では、脳梗塞などになる前の、脳の血流の低下や血管の異常などの、ごくわずかな変化を検出することが可能です。
そうしたMRIを使用した研究によると、中年の頃に不摂生な生活をしていることが、その後の認知症のリスクを増加させることが分かってきました。さらに今年のアメリカ医師会雑誌に発表された論文によると、40歳以下というもっと若い年齢における不摂生も、将来の認知症につながるような変化を既に起こしていることが、確認されているのです。
それでは、生活改善は認知症の予防に有効なのでしょうか? 同じ医学誌に最近発表された別の論文によると、65歳以上の年齢であっても、禁煙する、適切にダイエットする、魚や果物、野菜をしっかり取る、血圧や血糖、コレステロールを正常に保つ、といった生活改善によって、その後の認知症のリスクが低下することが確認されています。年齢はどうあれ、思い立った時に生活習慣を改善することが、認知症の予防として最も大切であるようです。