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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

私自身がんになって<5>放射線ではなく手術を選択した理由

公開日: 更新日:

①まず、内視鏡による経尿道的膀胱腫瘍切除術を行い、②骨盤部へ通常の放射線治療と同時に、「動注化学療法」を3回行います。動注化学療法は細い管を両足の付け根から膀胱付近の動脈に挿入し、抗がん剤を動脈に直接注入するというものです。③その後、がん病巣が消失していた場合には、④元の腫瘍のあった部位に再発予防で陽子線治療を11回追加する、というもの。③の時点で腫瘍が残っていた場合は、膀胱全摘術を行いますが、文太さんの場合には、完全に消えていました。

■陽子線並みの「線量集中性」も

 文太さんが最初に受けた放射線は「X線」。いわば強い光で、放射線治療のほとんどが、このX線で行われます。光には質量がなく、体を突き抜けてしまいます。がん病巣に照射しても、そこを突き抜けて体の他の部分にも当たることが副作用の原因です。

 ところが、陽子には質量があります。定めた目標で止まり、そこから先に影響を及ぼすことがほとんどありません。ダンプカーが壁に当たると止まるようなもので、ピンポイントにがん細胞だけを狙い撃ちできます。

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