強度近視が進行すると網膜剥離や黄斑変性症につながる恐れ
こう言うと“度の強いメガネやコンタクトレンズを使っている私は強度近視で、いずれ失明するのでは?”と心配される方がおられますが、大抵は問題ありません。
眼科医が視力を言う場合は、その人の視力を最大限発揮できるメガネレンズの屈折力を示すジオプトリー(D)という単位で表します。病的近視と呼ぶのはマイナス8.0D以上です。一般的にマイナス6D以上の人は人口の10%、眼底出血や無裂孔性網膜剥離や脈絡膜萎縮などを伴う病的近視は人口の1~3%といわれています。
近視がひどくなると網膜が眼球に引き伸ばされて薄くなり、穴が開いたり、はがれたりします。とくに網膜の中央にあって視細胞が集中する黄斑部が傷つき変性すると失明する恐れがあります。
それを避けるため検査は、従来行われてきた視力検査、眼底検査、蛍光眼底造影などのほか、光干渉断層法による検査も受けることをお勧めします。網膜は層構造をなしています。検査ではその層構造の乱れを起こす網膜出血や網膜のむくみ(黄斑浮腫)を観察することができます。
病的近視における脈絡膜血管新生の治療法には抗VEGF薬治療、レーザー光線による網膜光凝固術などが行われます。
なお、近視の原因は日光不足などといわれています。子供は1日2時間以上、戸外で日に当てた方がいいかもしれません。