「断酒」か「減酒」かを選択 変わるアルコール依存症治療
「依存症は再発を繰り返しながら回復していく病気です。医療機関としてアルコール依存症治療の最終目的は、死を防ぐこと。断酒と減酒の2つの方法で治療に取り組めれば、治療につながる人も増えるでしょう」
減酒といっても、「アルコールを適度に飲み、上手に付き合っていく」という意味ではない。アルコール依存症は、すでにアルコールと上手に付き合っていくことが不可能になった状態。だから基本は、どのようにして酒のない生活を送るか。現代のアルコール治療は断酒一辺倒ではなく、動機づけを高めながら、さまざまな角度からアプローチしていく。入り口は断酒か減酒であっても、ほかの治療法との組み合わせで、目指すのはアルコールと完全に袂を分かつことだ。なお、レグテクトやセリンクロは、抗酒剤との併用も可能。この2つを服用して断酒を目指す患者もいる。