酸化の連鎖抑制に関係 老化防止にビタミンEとCが必要な理由
突然ですが皆さんは立ったまま靴下をはけますか?
無理という人は、すでにロコモが始まっているかもしれません。気をつけないと、ちょっとした段差でつまずいたり、理由もなく転んだりするかもしれません。
ロコモの原因のひとつは関節や骨などの故障ですが、筋肉をコントロールする神経の衰えが原因であることも多いといわれています。そしてその原因が、神経の細胞膜の酸化であると考えられています。
活性酸素の悪影響のなかで、最も注目を集めているのが不飽和脂肪酸の酸化です。神経に限らず細胞はすべて、脂質(脂肪酸とコレステロール)でできた細胞膜に包まれています。そして不飽和脂肪酸こそ、その重要な材料だからです。
不飽和脂肪酸を多く含んだ細胞膜は、薄くて丈夫でしなやかです。必要な栄養素を外部から取り入れるにも、不要になった老廃物を外部に排出するにも有利です。特に神経細胞では、筋肉を動かす電気信号をスムーズに伝達するのに適しています。
ところが、不飽和脂肪酸は酸化されやすい。ミトコンドリアで発生した活性酸素の一部は、細胞膜の不飽和脂肪酸を酸化してしまいます。しかも1カ所でも酸化されると、周囲に連鎖反応が起こって、膜全体がどんどん劣化してしまうのです。神経細胞でそれが起こると、電気信号が伝わりにくくなるため、筋肉の制御がうまく取れなくなってきて、ロコモ状態に陥っていくと考えられています。