長引く咳は喘息の前段階…まずは疑うべき3つの疾患とは

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 咳喘息の治療は、ガイドラインでは「吸入ステロイドを2年」とされている。しかし、大半の患者は、数カ月の吸入ステロイドの使用で咳が止まる。

「呼吸器内科医の仲間ともよく話題になりますが、咳が治まったのに吸入ステロイドを2年使い続けるというのは現実的ではありません。また、2年使ったからといって“再発しない”というエビデンスはないのです。そこで私は、患者さんの咳が出なくなり、検査データが正常であれば、薬をやめて様子を見るようにしています」

■副鼻腔炎

 花粉症シーズンに悪化しがちなのが、副鼻腔炎だ。これは呼吸器疾患と密接な関係があることが指摘されており、気管支が広がって元に戻らない気管支拡張症を合併しているケースが多い。CT検査などで分かる。

「副鼻腔炎と気管支拡張症の合併で、日常生活に支障が出るほど咳がひどくなることも。この場合、痰を伴う咳です。少量のマクロライド系抗菌薬で治療ができ、QOLがかなり改善されます」

 副鼻腔炎にはいくつかタイプがあるが、近年、増加しているのが好酸球性副鼻腔炎だ。もし「喘息の治療をきちんと受けているのに、しばしば咳がひどくなる」場合、好酸球性副鼻腔炎の疑いがある。好酸球性副鼻腔炎は喘息との関わりが強く、one airway one disease(気道に生じた同じ炎症の病気)という概念にも含まれるようになった。好酸球性副鼻腔炎の治療が不十分であれば、喘息のコントロールも不十分になる。 

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