まるでそこにいないかのように無視され孤独を噛みしめる
まるで父親がそこにいないかのように無視され、「私はひとりぼっち」であることに気づき、孤独を噛みしめる。
認知症の人たちに、これまで何がつらかったかと尋ねると、まず挙げるのが①人とのつながりが消えること、次が②社会とのつながりが断たれることである。孤立しても我慢する人はいるが、この父親のように、性格によっては茶碗を投げたり大声で怒鳴って怒りを爆発させる人もいる。家族に無視されたら普通の人でもつらい。それは認知症になっても同じなのである。
認知症の「症状」といわれるものには、すべてに理由があることを知ってほしい。