著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

症状は人それぞれ違うのに安易にネットに頼るから間違える

公開日: 更新日:

 初めにお断りしておくが、私は介護の現場で働いたことはない。若年性認知症と診断された兄が2013年に亡くなったのをきっかけに、全国を回って数十人の認知症当事者に話を聞いたのだが、これから書こうとしているのは、そのとき得た知識を、いま介護している方たちに、介護される彼らからのメッセージとして伝えたいと思ったからだ。

 介護している家族の中には「介護は大変だ」と言われる方が少なくない。でも、認知症の人に話を聞いてみると、家族が認知症の人の思いをよく知らずに介護するために、自ら介護を大変なものにしているのではと思うことがよくある。誤解の上に成り立った介護は、介護する方にも、される方にも、苦痛を与えるのは当然だろう。

 では、双方になぜ齟齬が生まれるのだろう。ひとつには、「認知症になったら何も分からなくなる」と思っているから、本人に本音を聞こうとしないことだ。

 そして「DrGoogle」という言葉があるように、多くの人にとって介護は初めての体験だから、介護に困ったら、ついネットで検索してしまうことだ。でも、Googleで調べたからうまくいったという話はあまり聞かない。なぜだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり