著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

岡村孝子さんが公表の白血病は不治の病でない 8割は治る

公開日: 更新日:

 血小板も減少するため出血しやすい。歯磨きで歯茎から出血したり、体を少し押されたところが内出血してアザができたりするのは、そのためです。

渡辺謙さんや吉井怜さんも克服

 白血病は、がん細胞が急速に増える急性と、ゆっくり増殖する慢性に分けられます。それぞれに骨髄性とリンパ性があって、骨髄性は中年以降の成人に多く、リンパ性は小児に多い傾向です。

 主な原因は遺伝子の偶発的な損傷で、遺伝子の経年変化によって増える傾向があります。加齢によって患者数は増加。確固たる予防はありませんが、喫煙は白血病を増やすので、禁煙をお勧めします。

 急性と慢性の比率は4対1で、急性のうち骨髄性とリンパ性の比率は成人で大体4対1ですが、小児は逆で1対4。そのような傾向を踏まえると、断言はできませんが、岡村さんは急性骨髄性白血病かもしれません。そうだとすると、病気を克服した渡辺さんや吉井さんと同じタイプです。

 治療は、抗がん剤が主体で、まず複数の抗がん剤を組み合わせて寛解を目指す寛解導入療法を行います。それで、寛解が得られると、その状態をキープする治療を継続します。吉井さんは寛解維持療法の後、結果が思わしくなかったようで、骨髄移植を受けたとされています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ