子供のころから「普通の人との違い」を感じていた
中学に入ると、夜中に勉強しながら深夜ラジオを聞くようになり、授業中はよく眠っていた。理系科目ができたので、旧帝大の理系学部に進学する。大学が家から遠かったので一人暮らしを始めると、生活は壊滅的になった。
「朝起きられないし、時間管理ができないので、授業に出ても遅刻する。夜中に大音量でラジカセをかけて、部屋の前に苦情の張り紙があって、初めて迷惑をかけていたことに気付く。勉強は遅れがちで1年留年しました」
時は就職氷河期。目先の就職活動を敬遠して、大学院に進学する。
難しい課題は「過集中」という、ハイになったような状態でなんとかこなしたが、発表が終わるとその反動でダウンしてしまう。疲れているのに興奮状態で眠ることができず、ぐるぐる回る頭の中で、「こんなことでは、働くのは無理だろうなあ……」とぼんやりと思った。
大学の教授に相談したところ、大学病院の受診を勧められた。
結局、そのころ増え始めていた心療内科を受診したが、睡眠薬を処方されただけで、はっきりとした病名は与えられずに終わった。