食習慣の改善は心臓疾患を激減させる可能性がある
「地中海食」と呼ばれる料理があります。イタリア、スペイン、ギリシャといった地中海沿岸の国々の伝統的な料理のことで、オリーブオイル、ナッツ、野菜、果物、豆類、精製されていない穀物を豊富に使い、チーズやヨーグルトを頻繁に食べる。肉、卵、乳製品より魚を多く食べ、適度に赤ワインを飲む――といった特徴があります。
世界各国で「健康に良い食事」として数多くの報告があり、がん、糖尿病、アルツハイマー病といった病気のリスクを下げるとされています。
心臓血管疾患の予防に効果的だとする研究も多く報告されています。イスラエルの研究では、約300人を対象に地中海食を食べるグループと、日頃の食事を続けるグループに分け、18カ月にわたって経過を観察。地中海食は心臓、肝臓、膵臓の内臓脂肪を著しく減らし、糖尿病と高血圧の罹患率が大幅に低いことがわかりました。
スペインの研究では、7447人を対象に地中海食にエクストラバージンオリーブオイルを加えたグループ、地中海食にミックスナッツを加えたグループ、低脂肪食の摂取を指導したグループに分けて比較したところ、心筋梗塞や脳卒中といった主要心血管イベントの発生率は、低脂肪食グループに比べ、オリーブオイルグループは31%減、ナッツグループは28%減という結果でした。