20~40代に増加中「子宮頸がん」早期発見でも喜べない理由

公開日: 更新日:

 子宮頚がんは年間約2900人が死亡し、20~40代の女性に増えているがんだ。子宮頚がんについて、NTT東日本関東病院産婦人科主任医長の近藤一成医師に聞いた。

 子宮頚がんのほとんどは、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因。非処女の50~80%は生涯で一度、感染機会があると考えられている。

「HPVに感染すると“異形成”という状態を経て、子宮頚がんになります。異形成は軽度、中等度、高度とあり、このうち高度が前がん病変であり、前がん病変の一部が進行して、子宮頚がんに至ります」

 検診などで異形成の段階で見つかった場合、3~6カ月ごとの定期検診で前がん病変に進行しないかチェックする。前がん病変またはごく早期のがんなら、子宮頚部を円錐状に切除する円錐切除術だ。進行がんであれば、子宮全摘や放射線治療・抗がん剤治療になる。

「円錐切除術は子宮温存も可能ですが、不正出血や将来の妊娠時の流産や早産のリスクを高めます。さらに進行がんでは予後は良くなく、排尿障害、下肢のリンパ浮腫などの術後の後遺症がある。産婦人科医の大半は、子宮頚がん対策には子宮頚がんワクチン接種が不可欠だと考えています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に