アスリートじゃなくても…手首の痛みを侮ってはいけない
「TFCCは軟骨靱帯であるため通常のレントゲン写真では写らず、骨にも異常が見られないために重症度がわからないまま診断されることが少なくありません。それで、数カ月から1年湿布を続けたが治らないというケースがあります。そのため、TFCCの確定診断はMRI検査が望ましいといわれています」
■うつ病などを誘発も?
TFCCの治療は痛みが出て2~3週間ほどであれば、1~3カ月間ギブスやサポーターなどで手首を固定する保存療法を行う。多くの場合、これで治癒するが、痛みが強い場合は炎症を抑える局所麻酔とステロイドを混ぜた薬剤を手関節に注射することもあるという。
「問題は、診断が遅れて数カ月経過してもまだ、痛みが取れないケースです。症状にもよりますが、その場合は手術による治療を行うことがあります。手術は手関節鏡と呼ばれる内視鏡を見ながら、手首の患部の炎症部分を切り取ったり、損傷しているTFCCを縫い直したりします」
手術自体は1時間ほどで終了する。入院期間は医療機関によって違うが、日帰りから3泊4日程度が一般的だという。