中高年「偽関節」リスク 家庭での“足をゴン”は甘く見ない
■慢性疼痛に悩まされることに
治るまでの日数は骨折した場所や年齢によって違うが、おおむね肋骨で約3週間、鎖骨で約4週間、上腕骨で約6週間、大腿骨で約8週間、大腿骨頚部で約12週間といわれている。
「ところが偽関節になると骨が折れた場所(骨折端)が硬化または萎縮して骨折端の間隙が幼若結合組織細胞でなく線維組織により埋められ、骨が再生しなくなるのです」
骨折が治らず体を動かさない時間が長くなると、足腰の力が弱くなり、手足の関節が硬く動かせなくなったりする。
それだけでなく、内臓の働きも弱くなり、病気にかかりやすくなる。それが原因で寝たきりになる場合もあるから恐ろしい。しかも偽関節による慢性的な痛みは脳をつくり替えてしまい、ちょっとしたことでも強い痛みを感じるようになってしまう。
単に骨折の治りが遅い「遷延癒合」と偽関節との判別は「単純X線検査」「CT検査」などで治癒過程を確認したうえで、骨シンチグラフィーで骨折端の代謝能を判定することで行う。骨シンチグラフィーとは、骨に集まる放射性薬剤を静脈投与した後にその薬剤の集積程度を特殊なカメラで撮影して骨の代謝状況を調べる検査のこと。