著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

血液型による性格診断は根拠のない迷信なのか?

公開日: 更新日:

 しかし、その後の研究で、健康面(ストレス抵抗性や病気のリスク)へ影響があるという報告がいくつかあります。個別的には、脳性マラリアへの移行のしやすさはA型がO型の1・3倍、胃(十二指腸)潰瘍でピロリ菌の感染しやすさがO型のみ25%ほど高い、そしてノロウイルスの一部の株はO型の感染率が若干高い、O型は血液凝固に必要なフォン・ウィルブランド因子濃度が他の型より25%ほど低いので血栓が起きにくい、心筋梗塞はO型よりA型やB型に多いなどの報告があります。

 血液型が体の形成に関わっているのなら、性格形成に影響があってもおかしくない、というわけです。

 実際、血液型と性格の関係については医学的エビデンスに乏しく日本や朝鮮半島の迷信といわれつつも、欧米でも研究が進められてきました。

 そこで注目されたのがドーパミンよりノルアドレナリンを作り出すドーパミンβ水酸化酵素(DBH)です。

 01年に米国で出版された「Live Right for Your Type」には「O型の人では、ストレスを受けているときにノルアドレナリンやアドレナリンなどのカテコールアミンを取り除くのが難しいことが精神障害に密接な関係があると考えられる。そして現在の研究は、血液型と性格の関係がDBHの活動と関連することを示唆している」と書かれています。ABO式血液型を決定する遺伝子と同じ場所にDBHというストレスに関係する遺伝子があり、血液型と性格の関係があっても不思議ではない、というのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」