血液型による性格診断は根拠のない迷信なのか?
しかし、その後の研究で、健康面(ストレス抵抗性や病気のリスク)へ影響があるという報告がいくつかあります。個別的には、脳性マラリアへの移行のしやすさはA型がO型の1・3倍、胃(十二指腸)潰瘍でピロリ菌の感染しやすさがO型のみ25%ほど高い、そしてノロウイルスの一部の株はO型の感染率が若干高い、O型は血液凝固に必要なフォン・ウィルブランド因子濃度が他の型より25%ほど低いので血栓が起きにくい、心筋梗塞はO型よりA型やB型に多いなどの報告があります。
血液型が体の形成に関わっているのなら、性格形成に影響があってもおかしくない、というわけです。
実際、血液型と性格の関係については医学的エビデンスに乏しく日本や朝鮮半島の迷信といわれつつも、欧米でも研究が進められてきました。
そこで注目されたのがドーパミンよりノルアドレナリンを作り出すドーパミンβ水酸化酵素(DBH)です。
01年に米国で出版された「Live Right for Your Type」には「O型の人では、ストレスを受けているときにノルアドレナリンやアドレナリンなどのカテコールアミンを取り除くのが難しいことが精神障害に密接な関係があると考えられる。そして現在の研究は、血液型と性格の関係がDBHの活動と関連することを示唆している」と書かれています。ABO式血液型を決定する遺伝子と同じ場所にDBHというストレスに関係する遺伝子があり、血液型と性格の関係があっても不思議ではない、というのです。