絶望の中でも援助したい 終末期患者を看護するスタッフの思い
B看護師ともう1人の看護師が死後の処置を行い、ご遺体を病室から霊安室に送り出したのが深夜0時。他の患者の見回り、重症者の看護、カルテの記載をして、B看護師が勤務を終えて病棟を後にしたのは夜中の1時を過ぎていました。
翌日、B看護師は朝9時から勤務です。日勤ではたくさんの看護師が勤務しますが、それでもB看護師は、悪性リンパ腫の終末期で早朝から血圧が下がっていたFさん(27歳・男性)の担当でした。
Fさんは午後2時に亡くなりました。数日泊まり込んでいたFさんの母親に私が「ご臨終です」と告げた時、B看護師は母親と一緒に泣いていました。廊下に出てきたB看護師の涙を先輩看護師が拭いてあげていました。
■とげぬき地蔵にお参り
実は、その前週もB看護師が勤務のときに、担当した終末期の患者が息を引き取っていました。数日後、先輩看護師がB看護師に言いました。
「あなた、お地蔵さんのところに行ってきた?」