著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

絶望の中でも援助したい 終末期患者を看護するスタッフの思い

公開日: 更新日:

 B看護師ともう1人の看護師が死後の処置を行い、ご遺体を病室から霊安室に送り出したのが深夜0時。他の患者の見回り、重症者の看護、カルテの記載をして、B看護師が勤務を終えて病棟を後にしたのは夜中の1時を過ぎていました。

 翌日、B看護師は朝9時から勤務です。日勤ではたくさんの看護師が勤務しますが、それでもB看護師は、悪性リンパ腫の終末期で早朝から血圧が下がっていたFさん(27歳・男性)の担当でした。

 Fさんは午後2時に亡くなりました。数日泊まり込んでいたFさんの母親に私が「ご臨終です」と告げた時、B看護師は母親と一緒に泣いていました。廊下に出てきたB看護師の涙を先輩看護師が拭いてあげていました。

■とげぬき地蔵にお参り

 実は、その前週もB看護師が勤務のときに、担当した終末期の患者が息を引き取っていました。数日後、先輩看護師がB看護師に言いました。

「あなた、お地蔵さんのところに行ってきた?」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで