杉浦太陽は2個をすぐ…大腸ポリープ切除見極めのポイント
大きさだけではなく、「見た目」で切除が検討されるケースもある。腫瘍の表面に見られる「ピットパターン」という模様で見極めるという。
「ピットパターンは6つの型に分類されていて、構造が不均一だったり、形がいびつだったり、模様が特殊な場合などは、大きさが5ミリ以下でも切除が検討されるケースがあります。診断には拡大内視鏡が使われ、色素内視鏡を併用して綿密に観察します」
ポリープの大きさと見た目に問題がなければ経過観察になるのが一般的で、多くの人はこれに該当しているのだ。
米国では、小さくてもポリープをすべて切除して病変が一切ない大腸=「クリーンコロン」を目指すことで76~90%の大腸がん抑制効果があるとしている。しかし日本では、5ミリ以下の大腸ポリープを切除すべきか経過観察でよいのか、学会でも依然として合意が得られていない。5ミリ以下のポリープまですべて切除するのは手術リスクと医療経済上の負担から、過剰な医療行為につながる可能性も指摘している。
「以前は電気メスを使ってポリープを切除する方法が主流で、出血や穿孔のリスクがありました。いまでは5ミリ以下のポリープは『コールドスネア・ポリペクトミー』という通電させない切除方法が広まりつつあります。ただ、すべてのポリープを即切除するかどうかは、内視鏡検査自体の難易度や負担、患者さんの希望、合併症のリスク、医療経済的な側面を総合的に考慮して判断されているのが一般的です」
いずれにせよ、ポリープの大きさや見た目は自分ではわからない。ポリープとは関係なく直接がんが発生するデノボ経路もあるので、最低でも3年に1回は大腸内視鏡検査を受けた方がいい。