青島周一
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青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

レジャー時間に運動する人はがんになりにくい?米で論文

公開日: 更新日:

 適度な運動健康の維持・増進に大切だと考えられています。そんな中、余暇活動(仕事以外のレジャー活動)における運動量と、がん発症リスクの関連について検討した研究論文が、米国臨床腫瘍学会誌2019年12月号に掲載されました。

 この研究は、身体活動の強度を示す代謝当量とがん発症リスクの関連について、過去に報告されている9件の研究データを統合解析したものです。代謝当量とは「運動の強さ」を表す単位のことで、安静時を1メッツとして、その2倍の酸素を消費する運動は2メッツと表現します。なお、1時間のサイクリングは8メッツの身体活動量に相当します。この研究では、余暇活動における代謝当量が週に1時間当たり0メッツの人を基準として、米国で推奨されている運動量7・5~15メッツの人におけるがんの発症リスクが検討されました。

 統合解析に含まれた被験者の総数は75万5459人、約10年にわたる追跡調査がなされていました。その結果、余暇時間における身体活動が0メッツの人と比較して、7・5~15メッツの人では、男性の大腸がんで8~14%、乳がんで6~10%、子宮体がんで10~18%、腎臓がんで11~17%、肝臓がんで18~27%、骨髄腫(血液のがん)で14~19%、女性における非ホジキンリンパ腫(リンパ系のがん)で11~18%、統計学的にも有意にリスクが低下しました。

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