コロナ対策“不要不急の外出自粛”で高齢者の健康が蝕まれる
「高齢者の筋力低下や運動能力低下はふらつきの原因となり、骨折リスクを高めます。とくに2型糖尿病の人は注意が必要です。寝たきりを招く大腿骨頚部の骨折が2型糖尿病でない人に比べて1.3~2.8倍に高まるという報告があるからです。また、高齢者は屋内にいるから安全というわけではありません。65歳以上の事故の77%は住宅内で起きていて、階段を踏み外すなどの転落が30.4%、夜間トイレに行く際などの転倒が22.1%という報告もあります。高齢者の長期間の外出自粛はこうした事故に拍車をかけないとも限りません」
■強い怒りから脳梗塞や心筋梗塞も
高齢者が体を動かさなくなると、骨や筋肉が衰えるだけではない。脂肪が増え体重も増加する。血糖値は乱れ、血圧も高くなる。加齢で弱った心臓への影響もある。
「世界52カ国2万9000人以上が参加した『INTERHEART研究』ではウオーキングやヨガなど軽度の運動をする人は13%、昼間のガーデニングなど適度の運動をする人は24%、心臓発作のリスクが低いと報告しています。逆に言えば、普段こうした運動をしている人がしなくなると、そのぶん心臓に負担がかかるということです」