坂本昌也
著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

血糖値を下げるだけでは不十分 脂質異常や高血圧のチェックも

公開日: 更新日:

 糖尿病というと、その名前から「尿に糖が出る病気」と考えている方がかなりいます。しかし糖尿病は、糖(ブドウ糖)が血液中に停滞する病気です。糖は「酸化」などの化学反応で血管の内側の壁を傷つける性質があるため、血液中に糖が多い状態が続くと、血管がダメージを受け、動脈硬化を進行させます。

 つまり、糖尿病は「血管がダメージを受ける病気=動脈硬化を進行させる病気」と捉えるべき。そして、「血管がダメージを受ける病気」は糖尿病に限りません。

 遺伝的要因が大きい1型糖尿病に対し、2型糖尿病は生活習慣が大きく関係しています。主なリスク要因として肥満が挙げられますが、肥満は脂質異常症や高血圧の主なリスク要因でもあります。

 肥満になると、脂肪を蓄える白色脂肪細胞から分泌される物質「TNF―α」と「レジスチン」の量が増え、血液中のブドウ糖が白色脂肪細胞へと取り込まれにくくなり、高血糖になります。前述の通り、それが血管にダメージを与えます。

 また、肥満になると、遊離脂肪酸という物質が血液中に増えます。その一部が肝臓で中性脂肪やコレステロールに変わり、血液中に戻され、血液中の脂質が多くなります。これが脂質異常症で、糖尿病と同様に、動脈硬化を進行させ、血管にダメージを与えます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」