著者のコラム一覧
水井睦みずい整形外科院長

みずい整形外科院長。日本整形外科学会認定専門医、同会認定脊椎脊髄病医、同会認定リウマチ医、日本体育協会認定スポーツドクター。1995年北里大学医学部卒業。横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院、国立病院などを経て、2005年から東京・祐天寺にて開院。

外出自粛で外に出ず…日に当たらないと骨折しやすいの?

公開日: 更新日:

【Q】不要不急の外出自粛の呼びかけに従い、ほとんど外に出ていません。日に当たらないと骨折しやすくなると聞きました。本当ですか?(37歳男性)

【A】本当です。骨を丈夫にするにはビタミンDが欠かせません。腸管から骨の原料となるカルシウムの吸収を助ける働きがあるからです。日光にはそれを生成するのに必要な紫外線がふくまれており、日光を浴びないと骨が弱くなってしまうのです。なかには“閉め切った部屋にいるけれど窓際で日に当たっているので大丈夫”と思い込んでいる人がいますが、間違いです。最近のガラスは紫外線を通しにくく、窓を閉め切った室内にはほとんど入ってきません。ですから、政府の外出自粛要請に従って、自宅で巣ごもりしている多くの人はビタミンDが不足し、結果的に骨折しやすい状況にあるのです。ただでさえ骨が弱っている高齢者や若い女性の中には、転びかけて体の一部に負担がかかった途端に足の骨や背骨にひびが入ったり、折れたりすることがあるので注意が必要です。

 なかでも気をつけたいのは、育ち盛りの子どもたちです。

 そもそも骨は骨基質とそれをコーティングする骨塩からできています。骨をコンクリートのビルに例えると、骨基質が鉄骨、骨塩が鉄骨の周囲を固めるセメントに相当します。どちらかが欠けても丈夫な建物ができないように、骨も骨基質と骨塩がしっかりしないと強い骨にはなりません。しかも、骨は建物と違って、常に古くなった骨を壊し(骨吸収)、新しい骨を作って(骨形成)、常に入れ替えていかなければなりません。骨形成が骨吸収を上回ることで子どもは骨が伸び、身長が伸びるのです。大人になってもこの動きは変わりません。身長が伸びなくなるのは骨形成と骨吸収の均衡が取れた状況を指し、身長が縮むのは骨形成より骨吸収が上回った状態を言います。

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